Seihoku Electric, Ltd. | ||||||||||||||||||||
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高周波 技術 |
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高周波技術・デバイスの測定 |
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近年、デジタル技術の急速な発展により、デジタル家電の内部や相互に行われる通信速度が、数10gigabit/s~と非常に高速になってきています。そのことにより伝送線路での反射や相互干渉の影響を受けやすくなり、シグナル・インテグリティ(デジタル信号を正確に伝送すること)が大変重要になります。 電磁波が真空中を伝わる速度は v = 3.0 × 108 (m/s) です。 周波数 f = 1GHz ( 1×109 )の場合、波長λは λ = v / f = 0.3 (m) となり、2GHzでは15cm、20GHzでは15mmとなります。この波長の短さによって、回路内部でもさまざまな影響を与えます。 【図1】 高周波部品単体での測定も、反射や外部ノイズの影響を出来るだけ排除しなくてはなりません。 【図1】の 反射 Vr の大きさを周波数軸で表したものをリターンロスといい、測定にはネットワークアナライザを用います。周波数が高いほど、リターンロスが悪化します。リターンロスが悪い(大きい)と反射信号により定在波が出来てしまいます。この定在波は元の信号から振幅、位相がずれるため、その合成波はパルスをなまらせることになったり、パルスの幅の変動を引き起こしたりします。 |
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周波数で変化する電子部品の特性 |
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高周波になると、電子部品が実装されたことにより発生する、回路からは計算できないストレー(浮遊)容量や、ストレー(浮遊)インダクタンス、ストレー抵抗に電子部品の特性が影響を受けます。 周波数により電子部品を構成する材料そのものにも周波数特性があり、その他にもプリント基板の誘電率ε(ε=ε・εr)が変化してコンデンサの値が変わり、特性インピーダンスの値も変化することになります。 |
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スペクトラムアナライザ |
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横軸に周波数、縦軸に電力(電圧・振幅)を表す電気計測器(スペアナ)。 ○オシロスコープとスペクトラムアナライザの違い (【図2】 【図3】 参照) オシロスコープ 【図2】 横軸:時間 縦軸:電力(電圧:振幅) 高電圧に対応 スペクトラムアナライザ 【図3】 横軸:周波数 縦軸:電力(電圧:振幅) 小信号の測定に対応 【図4】 オシロスコープとスペクトラムアナライザの違い スペクトラムアナライザにトラッキングジェネレータを併用することにより、フィルター等の周波数特性を簡易に測定できる。 |
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集中定数回路 |
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10MHzの信号を考えると、v=fλ(λ=v/f) λ=30m となります。 そして基板上のパターンの長さが30cmとすると、このパターンの長さは波長λに対して、1/100になります。 位相についても1/100ですので、3.6度となります。 【図5】 sin3.6°=0.063 となりパターンの両端では信号の高さはほぼ同じです。このような状態ではパターンの端に異なる媒質が連続しても、波の状態はほとんど変化しません。【図5】 この状態が集中定数回路として扱える範囲です。 この場合の特性インピーダンスは R:プリントパターンの直流抵抗 L:プリントパターンのインダクタンス C:プリントパターンの容量 G:プリントパターンとGND間のコンダクタンス 高周波になるとR、Gは相対的に小さい値となり、 となります。 |
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分布定数回路 |
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分布定数回路とは集中定数回路が連続して集まった回路。 特性インピーダンス Zo を持つ集中定数回路がお互いに特性インピーダンス Zo でインピーダンスマッチングされた状態で接続された状態をいいます。 |
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インピーダンスマッチング |
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波が進む際、媒質が一定(同じ媒質)ならば一様に進んで行きます。 ところが異なる媒質に突き当たると、波の一部は進み続け、一部は反射して戻ってきます。この反射波は進んでくる波と合成され、もとの波形を崩します。高周波ではこの信号波への影響が問題となります。 この反射を最小限に抑えるためにインピーダンスマッチングを行います。 信号を送る側のインピーダンスを伝送回路のインピーダンス Zo と同じ値にし、さらに負荷側のインピーダンスを伝送回路のインピーダンスと同じ値にすることが、信号電力を最も効率的に伝送する条件となります。 【図6】 高周波では抵抗を使うと【図6】(a)電力をロスするため、LとCを使ったマッチング回路を使用します【図6】(b)。 参考文献 日刊工業新聞社 高周波技術 アジレントテクノロジー 資料 |
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